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活動報告

前書き

職業感染制御研究会がまとめた報告書(エピネット日本版サーベイランス2015)によりますと、臨床現場における針刺し・切創の発生件数は年々減少傾向にあるものの、薬剤充填針による針刺し・切創の件数は増加傾向にあるのが現状です。また、本邦では、厚生労働省より通知された「医療機関における院内感染対策について」(平成26年12月19日医政地発1219第1号)において、「(2-3職業感染防止)注射針を使用する際、針刺しによる医療従事者等への感染を防止するため、使用済みの注射針に再びキャップするいわゆる『リキャップ』を原則として禁止し、注射針専用の廃棄容器等を適切に配置するとともに、診療の状況など必要に応じて針刺しの防止に配慮した安全器材の活用を検討するなど、医療従事者等を対象とした適切な感染予防対策を講じること。」と注意喚起されています。しかし、ペン型注入器用注射針に関しては、使用済みの針を取り外す際、専用の針ケースの使用などが必要であり、針刺し事故の発生や針刺し事故のリスクが存在しています。
こうした実態を背景に、2018年に、糖尿病患者の注射手技に関する針刺し損傷とそれに関わる注射用デバイスの準備、廃棄、注射手技および、その関連領域に関する教育、啓発を目的として、医師・薬剤師・看護師が中心となって、糖尿病の専門家と感染症の専門家のマルチソサイアティによる糖尿病患者の注射療法に関する感染ネットワークを結成しました。
「糖尿病患者の注射療法に関する感染マネジメントバンドル」は、臨床現場におけるプラクティカルな予防策を、注射手技、教育、廃棄、針刺し・切創時の対応のフェーズごとにバンドル化することにより針刺し損傷による感染の予防を目指すというものです。
本バンドルは「ストラクチャーバンドル」と「プロセスバンドル」の2つのパートで構成されています。
「ストラクチャーバンドル」は原則として病院全体の状況を、そして「プロセスバンドル」は原則として個別の診療プロセス事例での対応状況を評価するものとなっています。
各施設の評価に関しては、「ストラクチャーバンドル」と「プロセスバンドル」を合計するのではなく、それぞれのパートで実施率を出すように設定されています。これにより、各施設で改善すべき項目が明らかになり、個別事例ではどの点を修正していくべきかなどが明らかになると考えています。
現在公表しているバンドルは決して完成形ではなく、むしろ現場で医療従事者の皆さまに使用していただき、バンドルを育てていただきたいと考えています。したがって、バンドル内容の改訂についても常に見据えております。
本バンドルを活用いただき、忌憚のない意見を賜りたいと考えています。さらに利用価値が高いバンドル構築および針刺し事故減少を目指していくため、皆さまのご協力をお願いしたいと思います。

感染マネジメントバンドル